ファーマコビジランス(読み)ふぁーまこびじらんす(その他表記)pharmacovigilance

知恵蔵 「ファーマコビジランス」の解説

ファーマコビジランス

日本語では「医薬品安全性監視」などと訳されることが多く、世界保健機関(WHO)によって「医薬品の有害な作用または医薬品に関連するその他の問題の検出評価・理解・予防に関する科学と活動」と定義されている。日本でもICH(日米EU医薬品規制調和国際会議)で合意された「医薬品安全性監視の計画」が2005年に通知され、ファーマコビジランスの実施が現実のものとなった。通知は、市販後の情報収集と評価を科学的かつ適切に実施するための、計画策定に関するガイドラインである。その情報に基づいて市販後にデータ収集を必要とする「安全性事項」を特定し、この事項に適した方法でのデータ収集に関する具体的な医薬品監視計画の策定を求めている。これに対応し、製造販売業の許可要件として、医薬品等の製造販売後安全管理の基準(Good Vigilance Practice)に関する省令が新たに定められるなど、市販後の安全対策の体制が整えられた。これまでも市販後調査が行われてきたが、ファーマコビジランスの導入により、従来のような漠然とした情報収集ではなく、明らかにすべき事項を特定した上で、これに焦点を合わせた確実な情報収集と分析・評価を行うための計画を実施することが必要となった。

(澤田康文 東京大学教授 / 2007年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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