フェナジン(その他表記)phenazine

改訂新版 世界大百科事典 「フェナジン」の意味・わかりやすい解説

フェナジン
phenazine


無色(希エチルアルコールを用いて再結晶したもの),または淡黄色(エチルアルコールを用いて再結晶または昇華したもの)の結晶。ジベンゾピラジン,ジベンゾパラジアジン,アゾフェニレン,5,6-ナフトジアジンなどとも呼ばれる。融点171℃。種々の製法があるが,アニリンを赤熱管に通じても得られる。水にはほとんど不溶だが,アルコール,ベンゼンなどにやや溶ける。酸にはよく溶けて黄色ないし赤色溶液となる。フェナジンはアジン染料骨格として重要である。一般にフェナジン環をもつ染料はアジン染料と総称され,古い歴史をもつが,堅牢度が低いため実用されている品種は少ない。最初の人工染料モーブ(1856年W.H.パーキンによる)も塩基性アジン染料の一つである。このほかニュートラルレッド,アニリンブラックなどがこの型の化合物に属する。
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化学辞典 第2版 「フェナジン」の解説

フェナジン
フェナジン
phenazine

dibenzopyrazine.C12H8N2(180.21).o-フェニレンジアミンとカテコールとを封管中で加熱するか,アニリン蒸気を赤熱管に通してつくる.黄赤色の針状晶.融点171 ℃,沸点360 ℃ 以上.熱エタノールに可溶エーテルに微溶,水に難溶.昇華性がある.フェナジン骨格をもつ染料がいろいろあり,アジン染料と総称される.[CAS 92-82-0]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フェナジン」の意味・わかりやすい解説

フェナジン
phenazine

化学式 C12H8N2 。融点 171℃の結晶。水に不溶,アルコールにやや溶け,エーテル,ベンゼンに可溶。フェナジン骨格をもつ色素,染料群が知られている。

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