フォイヒタースレーベン(読み)ふぉいひたーすれーべん(その他表記)Ernst Freiherr von Feuchtersleben

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フォイヒタースレーベン」の意味・わかりやすい解説

フォイヒタースレーベン
ふぉいひたーすれーべん
Ernst Freiherr von Feuchtersleben
(1806―1849)

オーストリアの医者、詩人官吏の息子としてウィーンに生まれる。ビーダーマイアー期を代表する詩人、批評家の1人。グリルパルツァーシュティフター、作曲家シューベルトらと親交があった。青年時代には詩人として活躍したが、とくに彼を有名にしたのは『心の療法』(1838)で、啓蒙(けいもう)的なこの書では、家庭の時代であるとともに不安の時代でもあったビーダーマイアー期の思潮が集約的に展開されている。ヘルダーゲーテを中心にドイツ古典期の遺産をこの国のバロック以来の精神風土に摂取することに努めた。また古典古代に関する豊かな教養に根ざした批評活動にも定評があった。

[松村國隆]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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