フタユビナマケモノ(読み)ふたゆびなまけもの(英語表記)two-toed sloth

日本大百科全書(ニッポニカ) 「フタユビナマケモノ」の意味・わかりやすい解説

フタユビナマケモノ
ふたゆびなまけもの
two-toed sloth
[学] Choloepus didactylus

哺乳(ほにゅう)綱貧歯目ナマケモノ科の動物ベネズエラガイアナ、ブラジル北部の密林地帯にすむ。体長60~64センチメートル、体重9キログラム、尾はない。前肢に2指、後肢には3指があり、いずれも大きな鉤(かぎ)づめがあって、これを利用して枝にぶら下がって生活する。夜行性で、木の葉、花などを食べる。妊娠期間263日で1産1子。11年間の飼育記録があるが、同属のホフマンナマケモノC. hoffmanniでは32年という記録が知られている。

[齋藤 勝]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フタユビナマケモノ」の意味・わかりやすい解説

フタユビナマケモノ
Choloepus didactylus; two-toed sloth

貧歯目ナマケモノ科。体長 60cm内外。頭部は短く丸く,耳は外部からは見えない。前後肢とも先が細く曲り,その先端に長さ 7cmぐらいのがんじょうな曲った爪 (前肢に2本,後肢に3本) をもつ。この爪で木にさかさにぶらさがって生活する。尾はない。動作はのろいが,危険に際しては強力な爪で攻撃する。地上を歩くことはできない。体温が外気温によって左右され,24~35℃の間で変化するといわれ,気温が年間を通じて一定に近い熱帯地方でしか生活できない。夜行性で,昼間は木にぶらさがって眠り,夜間活動し,木の葉や果実を食べる。中央アメリカからアルゼンチンまでの熱帯雨林に分布する。

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