フットパス(読み)ふっとぱす(その他表記)footpath

翻訳|footpath

デジタル大辞泉 「フットパス」の意味・読み・例文・類語

フットパス(footpath)

森林田園などに設けられた歩行者用の小道。ありのままの自然や、古い町並みなどの風景を楽しみながら散策するためのもの。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「フットパス」の意味・わかりやすい解説

フットパス
ふっとぱす
footpath

歩道、人が歩くための小道。フットウェイfootwayともいい、とくに自然や風景、伝統的な町並みなどを楽しみながら歩くことのできる小道をさして使われることが多い。イギリス発祥の歩行者用道路の一種で、昔から使われてきた古道を利用しながら森林や田園地帯、廃線跡、歴史的な場所などを散策できるコースが設定されている。イギリス国内には総延長20万キロメートルに及ぶフットパスがある。

 1932年にイギリスのマンチェスターで起きた、数百人の市民が自由に散策する権利を求めて狩猟用の私有地への侵入を強行した「キンダースカウト集団侵入事件mass trespass of Kinder Scout」がきっかけとなり、「通行する権利」への注目が高まった。その後、フットパスのもとになる歩行専用路が徐々に形づくられ、1990年に優先通行権法が定められたことにより、同法の指定地では所有者の一存で人の通行を妨げることができなくなった。今日のイギリスでは、通行権が認められたpublic right of way(公共権利通路)と総称される道が定められており、こうした道は個人の農園内の道や森林管理局などの管理通路であっても、一定マナーを守りながら歩行者が自由に通行することが許されている。

 日本では1990年代なかばから北海道の各地、山形県長井市、東京都町田市、山梨県甲州市などで、地元住民が自然や古くから残る景観を楽しみながら歩く催しが行われるようになった。2009年(平成21)には日本フットパス協会が設立され、日本各地のフットパス活動の支援や連携が図られている。

[編集部]

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知恵蔵mini 「フットパス」の解説

フットパス

古い町並み・田園地帯・森林など、地域に昔からある風景を楽しみながら歩くことができる小道(Path)のこと。発祥地とされるイギリスでは、農村部を主とした公共の散歩道として国内に100年以上前から張り巡らされており、その総延長は22.5万キロとも言われる。日本でも自治体や各種団体などにより各地で設置が進められており、2009年には日本フットパス協会が設立された(2015年12月現在、11市町・約37団体が加盟)。

(2016-6-30)

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