フリーエージェント制度(読み)フリーエージェントせいど[プロやきゅう](英語表記)free agent

翻訳|free agent

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「フリーエージェント制度」の意味・わかりやすい解説

フリーエージェント制度[プロ野球]
フリーエージェントせいど[プロやきゅう]
free agent

プロ野球選手が他球団と自由に交渉できることを保障する制度FA制度ともいう。日本のプロ野球においては,1軍登録日数が1シーズン 150日以上の年が 9年に達した選手に FA資格が与えられる。また,権利の再取得は行使後 4年経過するごとに可能となる。日本プロ野球選手会日本野球機構導入を求めて交渉を続けてきた結果,1993年のオフシーズンより実施されることになった。FA選手を獲得した球団は,その選手を失った球団に対して人的補償と金銭的補償(その選手の旧年俸)を行なう。一方,1976年から FA制度を採用しているアメリカ合衆国大リーグでは,満 6年在籍した選手は,ワールドシリーズ終了後期間内にフリーエージェントを表明すれば,全球団と交渉する権利が得られるとされている。選手にとってより有利な契約を可能にするために設けられた制度であるが,一方で年俸の高騰を招くなど,球団経営を圧迫する原因ともなっている。

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百科事典マイペディア 「フリーエージェント制度」の意味・わかりやすい解説

フリーエージェント制度【フリーエージェントせいど】

FA(free agentの略)制とも。プロ野球で,一定の資格を満たす選手はどこの球団とでも契約できる制度。米国の大リーグの制度にならい,日本でも1993年から導入。資格は一軍在籍10シーズン(出場選手登録1500日)以上。移籍交渉が成立すれば,獲得した球団は在籍した球団に人的補償,金銭補償を行う。年俸の上限,獲得人数枠などを規定する。選手を束縛する球団の保留権に対抗するものだが,米国大リーグではこの制度によって極端な年俸高騰がおきている。

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世界大百科事典(旧版)内のフリーエージェント制度の言及

【アメリカ大リーグ】より

… 合衆国での野球人気は,開催シーズンの違いはあるがアメリカン・フットボールに匹敵し,根強いものがある。一時は伸び悩んでいた選手の報酬も,大リーグ在籍6年以上の選手に対し,移籍を希望する権利を与えるフリーエージェント制度free agent(FA制度)ができ,選手の言い分が球団に認められるようになってから再び上昇した。しかし,このフリーエージェント制度の更改交渉をめぐり,球団経営者と選手協会が対立を続け,81年には2ヵ月間にわたり選手協会がストライキを決行,計714試合が中止された。…

※「フリーエージェント制度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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