ブフトゥリー(その他表記)al-Buḥturī, Abū `Ubādah al-Walīd

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブフトゥリー」の意味・わかりやすい解説

ブフトゥリー
al-Buḥturī, Abū `Ubādah al-Walīd

[生]821. シリア,マンビジュ
[没]897. シリア,マンビジュ
アラブの詩人。ターイー族の支派ブフトル族の一人。若いとき同じターイー族の大詩人アブー・タンマームに知られ,その引き立てと,作詩への指導とを受けた。 848年頃アッバース朝第 10代カリフムタワッキルに知られ,宮廷詩人としての輝かしい活動期に入った。ムタワッキルが暗殺され (861) ると,一時故郷マンビジュに引退したが,再び宮廷詩人として返り咲き,歴代のカリフに多くの頌詩を捧げた。名声が傾くと故郷に帰り,長く病んだのち死んだ。頌詩では第一人者の地位を長く保ち,また哀歌でも佳作を残した。アブー・タンマーム,ムタナッビーと並んで,アッバース朝の三大詩人といわれるが,その品性については,とかくの批判がある。師アブー・タンマームの残したアラブの名詩選『勇敢詩集』 Dīwān al-ḥamāsahにならい同名の名詩選を編み,新工夫を加えたが,前者ほどには世に行われなかった。

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