日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブラウダー」の意味・わかりやすい解説
ブラウダー
ぶらうだー
Earl Russel Browder
(1891―1973)
アメリカの共産主義者。カンザス州出身。貧困に育ち小学校中退後、ウィチタで計理士をしながら社会党員として活動したが、その穏健な傾向に反発して脱退。第一次世界大戦の徴兵制に反対して入獄。1920年ニューヨーク市で共産党に入党。1921年中央執行委員、プロフィンテルン代表として中国に滞在し、帰国後1930年書記長に選出され、1936年、1940年には同党大統領候補になった。アメリカ民主主義の伝統を高く評価しながら、「共産主義は20世紀のアメリカニズムである」として共産主義の「アメリカ化」を唱えた。そして、ルーズベルト連合を「アメリカ型」の人民戦線であるとして支持し、反ファシズム運動に取り組んだ。第二次世界大戦中、共産党不要論を主張して党を共産主義政治協会に改組した。1945年党が再建されると、解党主義、日和見(ひよりみ)主義と批判され、1946年除名処分を受けた。
[河内信幸]