日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブリュアン」の意味・わかりやすい解説
ブリュアン
ぶりゅあん
Leon Nicholas Brillouin
(1889―1969)
フランスの物理学者。セーブルに生まれる。ソルボンヌ大学(パリ大学)教授。量子統計力学の開拓者の一人であり、とくに固体(金属)の理論で成功を収めた。固体のバンド理論の体系を確立した功績は大きく、「ブリュアン帯」にその名が残されている。帯磁率の研究における「ブリュアン関数」の導入があり、液体、固体の光散乱における「ブリュアン散乱」の発見も重要である。1941年アメリカに移住し、以後、情報理論とくに情報と物理学の関連について議論を展開した。名著『量子統計力学』Statistique Quantique(1928)をはじめ、多くの著書を残している。
[常盤野和男]
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