ブルガールの歴史的考古学的遺産群(読み)ブルガールのれきしてきこうこがくてきいさんぐん

世界遺産詳解 の解説

ブルガールのれきしてきこうこがくてきいさんぐん【ブルガールの歴史的考古学的遺産群】

2014年に登録された世界遺産(文化遺産)。ボルガルは、ヨーロッパで最大の河川であるヴォルガ川に沿い、カーマ川との合流地点の南に位置し、現在のタタールスタン共和国の首都カザンから見ても南方にある。7~15世紀に繁栄した中世都市で、ヴォルガ・ブルガール人たちが文明の種を植えた地であり、13世紀には、モンゴル帝国の支配を受け、キプチャク・ハン国やカザン・ハン国の中心都市となった。さらに16世紀にイヴァン雷帝率いるモスクワ大公国軍によって併合された後、ロシア正教の中心地となった。ブルガールは、文明の変遷において、重要な役割を担い、その遺跡群は、数世紀にわたる東西文化の交流とユーラシア世界の変貌の様を現代に伝え、連綿たる歴史の流れと文化の多様性の明確な証拠を示してくれている。またブルガールは、922年にタタール人としては、もっとも早くイスラム教を受け入れた地であり、タタール人のイスラム教徒にとっては聖なる巡礼地である。◇英名はBolgar Historical and Archaeological Complex

出典 講談社世界遺産詳解について 情報

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