日本大百科全書(ニッポニカ) 「ブロッケンの妖怪」の意味・わかりやすい解説 ブロッケンの妖怪ぶろっけんのようかい 太陽が背後にあるとき、前方の霧の中に自分の影がぼんやりと拡大されて大きく映ることがある。この影をブロッケンの妖怪という。自分の影の周り、すなわち妖怪の周りに色のついた光の輪ができることがある。これは御光(ごこう)である。御光のある場合もブロッケンの妖怪という。略してブロッケンとよぶこともある。この現象はドイツの東部ブロッケン山でしばしば観測され報告されたところから命名された。自分の影が拡大されて大きくみえるのは、影が一つの平面に映るのではなく、厚い層を通してさまざまな場所に映るため見かけ上大きくみえるものである。[大田正次][参照項目] | 光冠 | 御光 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブロッケンの妖怪」の意味・わかりやすい解説 ブロッケンの妖怪ブロッケンのようかいBrocken spectre 御光と呼ばれ,山頂でみられる光学的現象。ブロッケン現象ともいう。高山で霧が立ちこめている日の出や日の入りどきに光を背にして立つと,自分の影が霧に巨大に投影され,その影の頭部のあたりに虹に似た光の輪ができる。ドイツ中部のブロッケン山でよくみられることからこの名がついた。物理的には,光環と同じく霧粒が起こすミー散乱の後方散乱によってできたものである。日本では,ご来迎,山の御光,仏の御光とも呼ばれる。(→グローリー) 出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報