太陽や月の周りに現れる比較的小さい直径の色のついた光の輪。光環とも書く。輪の半径は普通3度前後で、色の配列は輪の外側が赤みがかっているのが特徴である。同じような光輪には暈(かさ)があるが、暈は半径が22度、色の配列は内側が赤であるので光冠とははっきり区別できる。
光冠は太陽や月の光が薄い雲の雲粒のために回折してできる。光冠の半径は雲粒の半径に逆比例する。雲粒が小さくなるほど光冠の半径は大きくなる。光輪の赤の外縁の角度を手近な道具を使って測り、その角度で20を割ると半径(単位マイクロメートル)がわかる。ビショップ環は雲粒のかわりに火山灰によって生じた回折現象である。ビショップ環の半径は約20度であることから、火山灰の半径は約1マイクロメートルであると推定される。雲の中では雲粒の大きさは一般に不ぞろいであるから、光冠の色は虹(にじ)の色のように鮮明にならない。多くの場合太陽や月の周りが青白い色で、その周囲を赤褐色の鈍い輪が取り巻く程度である。これをオーレオールaureoleとよぶこともある。雲のでき始めには雲粒の大きさは比較的そろっていて、光冠の色は虹色と同じように鮮明になる。夜間山の上で雲がかかってきたとき、20メートルくらい離れた位置から電灯の光を見ると色鮮やかな光冠を見ることができる。このようなときには光輪は二重、三重にも現れる。なお、御光(ごこう)やブロッケンの妖怪(ようかい)とよばれる現象は光冠と同様に光の回折によっておこるが、このときの色の配列は同じである。
[大田正次]
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…これはやはり銀河円盤あるいは活動的な銀河核からもれ出た磁場をもつ高温プラズマが,銀河の周辺に引き止められているものと考えられており,電波やX線で見ると,とくに銀河団中を高速で運動する銀河などでは,銀河団内ガスとの相互作用によりなびいた形になっているものなどがあり,その存在がとくに顕著になっている。
[その他]
薄雲を通して見た太陽や月のまわりに見える光の輪は光冠と呼ばれ,また放電現象にはその一つの形態としてコロナ放電がある。【内田 豊】。…
※「光冠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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