日の出(読み)ヒノデ

デジタル大辞泉 「日の出」の意味・読み・例文・類語

ひ‐の‐で【日の出】

朝、太陽が東に昇ること。また、その時。天文学では、太陽の上縁が東の地平線に出た瞬間。⇔日の入り
[補説]人工衛星は別項。→ひので
曲名別項。→日の出
[類語]御来光御来迎初日の出日の入り日没南中正中

ひので[人工衛星]

太陽観測衛星SOLAR-Bソーラービーの愛称。JAXAジャクサ(宇宙航空研究開発機構)・国立天文台・米国のNASAナサ(米国航空宇宙局)・英国のPPARC(素粒子物理学・天文学研究協議会)が共同開発し、平成18年(2006)9月に打ち上げられた。可視光線X線極紫外線の3種類の観測装置を搭載し、太陽の大気中の磁場や電流の分布、フレアなどの詳細な観測を行う。

ひので【日の出】[曲名]

《原題、〈ドイツSonnenaufgangハイドン弦楽四重奏曲第78番変ロ長調の通称。1797年作曲。全4楽章。エルデーディ四重奏曲の第4番。通称は、第1楽章の冒頭が日の出を連想させることに由来する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「日の出」の意味・わかりやすい解説

日の出(町)
ひので

東京都西部、西多摩郡(にしたまぐん)にある町。1974年(昭和49)町制施行。関東山地にあり、御岳(みたけ)山から日の出の方向にある北西端の日の出山(902メートル)が町名の由来。日の出山に発して多摩川に注ぐ平井川の峡谷沿いに集落があり、農林業が主産業で、トマト・シイタケの施設栽培、磨き丸太や卒塔婆(そとば)の生産が行われる。日の出山一帯は秩父多摩甲斐国立公園(ちちぶたまかいこくりつこうえん)域に含まれ、自然休養村となっている。下平井の鳳凰の舞(ほうおうのまい)は国指定重要無形民俗文化財。ほかにも二宮神社の農村歌舞伎(かぶき)など古い民俗が残っている。首都圏中央連絡自動車道が通じ、日の出インターチェンジがある。JR五日市(いつかいち)線の武蔵(むさし)五日市駅(あきる野市)、青梅(おうめ)線福生(ふっさ)駅よりバスが通じている。面積28.07平方キロメートル、人口1万6958(2020)。

[沢田 清]



日の出
ひので

中国の劇作家曹禺(そうぐう)の四幕戯曲。1935年発表、翌年上海(シャンハイ)の戯劇工作社により初演。旧上流社会の退廃した生活を題材に、暗黒面を暴露し将来に希望を託した近代劇の代表的作品。投機金融家、有閑マダム、甘い汁を吸うダニ、解雇された銀行員、底辺の売春婦など、旧社会の横断面が描写される。

 1930年代の経済恐慌期、社交界の花、陳白露(ちんはくろ)は大都会のホテル住まい。旧友方達生(ほうたつせい)が生活の一新を勧める。白露は部屋へ逃げ込んだ少女を一度は救うが、黒い魔手はこの娘の生存権を奪う。

 パトロンは倒産、いま方達生も去る。自由、正義を憧憬(しょうけい)する白露だが、虚偽の生活、滅び去る社会に身を置き、このジレンマに生きる力を失う。「陽が昇り闇(やみ)は取り残された。だが太陽は私らのものではない、やがて私らは眠りにつく」。日本では1956年(昭和31)稲の会初演、81年に劇団民芸(内山鶉訳・演出)で上演された。

[中野淳子]

『松枝茂夫訳『日出』(『中国の革命と文学4 老舎、曹禺集』所収・1972・平凡社)』

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改訂新版 世界大百科事典 「日の出」の意味・わかりやすい解説

日の出[町] (ひので)

東京都西部,西多摩郡の町。1974年町制。人口1万6650(2010)。多摩川の支流平井川流域にあり,町域の大部分が関東山地東縁の山地である。町名は町の西端にそびえる日の出山(902m)にちなむ。1960年代半ばまでは農林業を主とする農村地域であったが,JR五日市線に近い南東部の台地で住宅地化が進み,70年前後から人口が増加した。伝統産業として全国一といわれる卒塔婆の生産がある。かつては付近で得られるモミを用いていたが,現在は輸・移入材に頼っている。勝峰(かつぼう)山では石灰石の採掘が行われ,1928年以来操業のセメント工場がある。日の出山周辺は秩父多摩国立公園に指定され,ハイキングコースになっている。幸神神社には天然記念物のシダレアカシデがある。
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百科事典マイペディア 「日の出」の意味・わかりやすい解説

日の出[町]【ひので】

東京都西部,青梅(おうめ)市に接する西多摩郡の町。多摩川の支流平井川流域と関東山地東縁の山地を占め,1960年代半ばまでは農林業を主としたが,五日市線に近い南東部の台地で住宅地化が進み人口が増加。セメント工場が立地,古くからの卒塔婆(そとば)の生産も有名。日の出山(902m)周辺は秩父多摩甲斐国立公園に属するハイキング地。大久野幸神神社に〈シダレアカシデ〉(天然記念物)がある。28.07km2。1万6650人(2010)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「日の出」の意味・わかりやすい解説

日の出
ひので
sunrise

地上で見て,太陽の上縁が東の地平線に接すること。大気差のため太陽の位置は角度で約 35′,実際より上に見えるため,東京(北緯 35°41′)では実際より約 4~5分早い。(→日の入り

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デジタル大辞泉プラス 「日の出」の解説

日の出

オーストリアの作曲家ヨーゼフ・ハイドンの弦楽四重奏曲第78番(1797)。原題《Sonnenaufgangsquartett》。エルデーディ四重奏曲の一つ。名称は第1楽章の冒頭が日の出の様子を連想させることに由来する。

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[日本酒・本格焼酎・泡盛]銘柄コレクション 「日の出」の解説

ひので【日の出】

奈良の日本酒。蔵元の「岡野酒造」は大正4年(1915)創業。所在地は宇陀郡御杖村神末。

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世界大百科事典(旧版)内の日の出の言及

【太陽】より

…この傾きのために温帯では太陽の高度が夏は高く冬は低く,季節の変化が生ずる。同時に日の出,日の入りの方位も大きく変化し,日本では太陽は東西方向に対して30゜も夏は北寄りに,冬は南寄りに出入する。このために夏は日が長く,冬は短い。…

【新潮社[株]】より

…昭和期に入って円本競争時代には改造社の《現代日本文学全集》に対抗して《世界文学全集》(1927‐32)を出版,大量の読書人をひきつけた。雑誌においても《新潮》のほかに《文章俱楽部》(1916‐29),《日の出》(1932‐45)などを創刊,とくに《日の出》は講談社の《キング》のライバル誌に成長した。第2次大戦後は《小説新潮》(1947),《芸術新潮》(1950)を創刊し,56年には出版社として最初の週刊誌《週刊新潮》を刊行して成功させ,出版社系週刊誌の大量進出への道をひらいた。…

※「日の出」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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