ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ブーフ」の意味・わかりやすい解説
ブーフ
Buch, Baron Christian Leopold von
[没]1853.3.4. ベルリン
ドイツの地質学者,地理学者。 1790年から3年間フライベルク鉱山学校で学び,水成論者として著名な A.ウェルナーに師事。 96年鉱山監督官となったが,まもなく辞職し,地質学研究に打込み,ヨーロッパ各地を広く調査観測して回った。 1806~08年にはスウェーデン沿岸の隆起を発見,その結果を『ノルウェーおよびラップランド旅行記』 Reise durch Norwegen und Lappland (1810) にまとめた。 15年のカナリア諸島の火山調査を契機として火成論者となり,1779年以来調査研究を続けていたアルプスの隆起も火成岩の貫入によるとした。 1826年にはドイツ全土の初めての本格的地質図を出版 (ただし匿名) 。晩年にはドイツの中生代ジュラ紀層を黒ジュラ,褐ジュラ,白ジュラに3分し,ジュラ系研究の基礎を築いた。
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