ヘゲシアス(読み)へげしあす(その他表記)Hegesias

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ヘゲシアス」の意味・わかりやすい解説

ヘゲシアス
へげしあす
Hegesias

生没年不詳。紀元前4~前3世紀のギリシアのキレネ派の哲学者。快楽を最高善としたが、「自殺勧誘者」(ペイシタナトス)のあだ名で知られる。幸福の獲得は不可能事ゆえ、無苦痛で満足すべしと説いた。本性的に快や苦をもたらすものは存在せず、同一のものが快とも苦ともなるから、貧富貴賤(きせん)、隷属と自由、名声悪評差別はなく、生と死さえどちらでもよい。感謝、好意、親切などを信じなかったが、人をその過誤のゆえに憎んではならないとも教えた。講義が悪評をよび、追放されたこともある。

[田中享英 2015年1月20日]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘゲシアス」の意味・わかりやすい解説

ヘゲシアス
Hēgēsias

前 250年頃活躍のギリシアの雄弁家リュディアのマグネシア出身。長文を排し,短い律動的な句と大げさな隠喩と不自然な語順を好んだ。

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