ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ヘルツベルク」の意味・わかりやすい解説
ヘルツベルク
Herzberg, Gerhard
[没]1999.3.3. カナダ,オタワ
ドイツ生まれのカナダの物理学者。ダルムシュタット工科大学に学び,1930~35年同大学私講師。1935年ナチス政権を逃れてカナダに移り,サスカチュワン大学教授。1945年から 3年間シカゴ大学ヤーキズ天文台に在職後,再びカナダに帰り,国立研究所で研究。水素,酸素,窒素,炭酸ガスなどの二原子分子や遊離基のスペクトルを研究し,これらの分子の電子配置ならびに幾何学的構造を決定した。また宇宙空間に存在する遊離基のスペクトルを初めて確認し,惑星や恒星の大気に関する分光学的研究にも貢献。1971年ノーベル化学賞を受賞した。主著"Atomspektren und Atomstruktur"(1936),"Molecular Spectra and Molecular Structure"(全4巻,1939~79)。(→分光学)
ヘルツベルク
Hertzberg, Ewald Friedrich, Graf von
[没]1795.5.27. ベルリン
ドイツ,プロシアの政治家。フリードリヒ2世 (大王)時代最後の外相として,また次王フリードリヒ・ウィルヘルム2世時初期の指導的政治家として活躍。 1745年プロシア官僚となり,政府および外務関係記録官を経て,50年には王直属の官房記録所管理を委託され,フリードリヒ2世の数多くの歴史叙述にも協力。 57年国務次官。 63年外相に就任。次王の即位 (1886) とともに影響力を獲得し,プロシアの領土拡大,列強との調整を外交方針としたが,失敗し,91年辞任。
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