ベニヤ(読み)べにや(その他表記)veneer

翻訳|veneer

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ベニヤ」の意味・わかりやすい解説

ベニヤ
べにや
veneer

合板や単板積層材を構成する木材から薄くむかれた板。単板(たんばん)ともいう。ベニヤは張る、かぶせる、うわべを飾るという意味が含まれている。ベニヤ板という用語は、このベニヤを重ね合わせて張り付けた板すなわち合板plywoodをさし、しばしば板を略してベニヤとよぶこともある。しかし、ベニヤ板ということばには、かつての薄く、水に触れるとはがれるという印象があり、最近では厚物や耐水性の高いものも多くなってきたので、合板という用語が一般に使用されるようになった。したがって現在ではベニヤは合板などを構成する単板と定義づけられている。単板はその製造法によってロータリー単板、スライスド単板、ソーン単板、ハーフラウンド単板に区分されている。ロータリー単板はベニヤレースによって丸太から円周に沿って連続的に切削された単板で、合板や単板積層材のほとんどがこれからつくられている。日本ではおもに南洋産広葉樹、北アメリカでは針葉樹から単板が製造されている。スライスド単板はスライサーによって平削りされた単板で、美しい木目などのある表面化粧材を目的とし、化粧単板、突板(つきいた)とよばれることもある。ソーン単板はベニヤ鋸(のこ)によって切断された単板で、スライスド単板と同じような目的でつくられる。ハーフラウンド単板はロータリー単板とスライスド単板の中間的なものである。

[有馬孝

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ベニヤ」の意味・わかりやすい解説

ベニヤ
veneer

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のベニヤの言及

【合板】より

…一般に木材を0.5~4mmに薄くむいた板,すなわち単板(ベニヤveneer)を積み重ね,接着剤で貼り合わせて1枚の板にしたものをいうが,通常は各単板の繊維方向を1枚ごとに直交させる(図)。単板の組合せ方は,合板の安定性を保つために厚さの中央に対して対称構造をとり,そのために奇数枚合せが普通である。…

※「ベニヤ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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