山川 世界史小辞典 改訂新版 「ベンガル太守」の解説
ベンガル太守(ベンガルたいしゅ)
Nawāb of Bengal
太守と訳されている原語「ナワーブ」は,代理人,副官の意味で,ムガル帝国では各地の州長官の称号として用いられた。アウラングゼーブ帝の死後,ベンガル太守ムルシド・クリー・ハーン(在任1717~27)は,ムガル帝国から半ば独立した地方政権を樹立した。この政権は,プラッシーの戦いに敗れイギリスの傀儡(かいらい)とされるまで,半世紀弱の間ベンガルを統治し,マラーター同盟の軍の侵入を防ぎ,綿業などの経済的繁栄を実現した。
出典 山川出版社「山川 世界史小辞典 改訂新版」山川 世界史小辞典 改訂新版について 情報