改訂新版 世界大百科事典 「ベンジャミンコンスタン」の意味・わかりやすい解説
ベンジャミン・コンスタン
Benjamin Constant Botelho de Magalhães
生没年:1833-91
ブラジルの軍人,教育者で,共和政樹立の重要人物。小学校教員の子としてリオ・デ・ジャネイロに生まれ,1853年陸軍士官学校に入学して数学に優れた才能を発揮した。リオ天文台の天文助手を務め,士官学校では数学の教官としてコントの実証主義を生徒に吹き込み,奴隷制に反対する共和主義的な将校を育てた。技術将校としてパラグアイ戦争(1865-70)に参加したがマラリアのため帰還し,失明児施設(今日のベンジャミン・コンスタン協会)をリオに創設,経営した。軍隊では88年中佐に昇進,89年のクーデタ時には帝国政府総司令部を包囲した革命軍部隊を指揮した。共和国臨時政府の陸相と文相に就任し,軍の民主化と教育改革の実現に努力。コントの思想に基づく〈秩序と進歩〉という標語を国旗に採用した。
執筆者:住田 育法
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報