イネ科コヌカグサ属Agrostisの常緑多年草で,芝草や牧草として利用されるものの総称。北半球温帯,亜寒帯に分布する。冷涼気候を好み,耐暑性が弱く,日本では北海道,東北北部以外では植栽は難しく,とくに夏季の高温多湿とその後の乾燥による生育不良と病害が問題となる。欧米の中北部の芝草の代表種であるが,日本では一般的でない。北日本の庭園,公園の芝生用に使われることがあり,またその常緑性からゴルフ場のグリーンに多く使われるが,その維持管理は難しく,とくに病害防除に苦労が多い。
クリーピングベントグラス(ハイコヌカグサ)A.stolonifera L.(英名creeping bentgrass)は美しい芝草で,匍匐(ほふく)茎を生じ,踏圧,刈込みに強い。品種が多く,芝生造成には種子によるもの(ペンクロス,シーサイドなど)と張芝によるもの(アーリントン,メトロポリタン)などがある。コロニアルベントグラスA.tenuis Sibth.(英名colonial bentgrass)は前者よりやや小型で,匍匐茎は出さない。品種にアストリア,ハイランドなどがあり,芝生造成は種子による。ベルベットベントグラス(ヒメヌカボ)A.canina L.(英名velvet bentgrass)はもっとも小型で美しい芝草。匍匐茎を出す。品種にはカーンウッド,ラリタンなどがある。レッドトップ(コヌカグサ)A.alba L.(英名redtop)は大型,茎葉粗剛で,匍匐茎を出す。性質は強いが,芝草よりも牧草や緑化工用に適している。
執筆者:北村 文雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…アメリカ,ジョージア州のティフトンで育成された品種(ティフグリーン,ティフウェーその他)が公園などによく使われる。(3)ベントグラス類 常緑型西洋芝の代表。美しい常緑芝生をつくるが,日本では暑さに弱く,病害が出やすく,管理が難しい。…
※「ベントグラス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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