ペッカネン(読み)ぺっかねん(英語表記)Toivo Rikhart Pekkanen

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペッカネン」の意味・わかりやすい解説

ペッカネン
ぺっかねん
Toivo Rikhart Pekkanen
(1902―1957)

フィンランド初のプロレタリア作家。小学・職業学校卒業後13歳で鍛冶(かじ)工。若い都市労働者の成長を生物・社会学視点からとらえた『工場の陰で』(1932)が代表作教条主義を排し人間・社会の進歩をテーマとする自伝風作品で、英独仏など七か国語に翻訳された。三部作『神の臼(うす)』(1946)は1860~1940年間のフィンランド人の精神変遷史を追求したが未完に終わった。1955年アカデミー会員、57年コペンハーゲンにて客死。ほかに『黒い狂気』(1939)など。

[高橋静男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ペッカネン」の意味・わかりやすい解説

ペッカネン
Pekkanen, Toivo

[生]1902.9.10. コトゥカ
[没]1957.5.29. コペンハーゲン
フィンランドのプロレタリア作家。小学校卒業後,職業訓練所を経て 13歳で鍛冶工として自活,30歳で作家生活に入った。 1955年フィンランド・アカデミー会員。代表作『工場の陰で』 Tehtaan varjossa (1932) ,『黒い狂喜』 Musta hurmio (39) ,自伝『わが少年時代』 Lapsuuteni (53) 。

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