ペニング効果(読み)ペニングコウカ

化学辞典 第2版 「ペニング効果」の解説

ペニング効果
ペニングコウカ
Penning effect

一般にA,B 2種類の混合気体において,Aの準安定準位(metastable level)がBのイオン化電圧より大きいと,Aのみをイオン化するときよりもA,Bの混合気体をイオン化するほうがペニングイオン化は,はるかに容易になる.このようなBの効果をペニング効果という.たとえば,ネオンに0.1% のアルゴンを混合してアーク放電を行うと,放電開始の電圧がいちじるしく低下する.これはネオンが電子と衝突して準安定原子(Ne*)となり,ついでこれとアルゴンが衝突してアルゴンが電離されるためで,次のように示される.

     Ne + e → Ne* + e

     Ne*Ar → Ne + Ar + e

また,水銀とアルゴンの混合気体は蛍光灯に用いられているが,水銀の混合により低い放電開始電圧が得られている.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

法則の辞典 「ペニング効果」の解説

ペニング効果【Penning effect】

放電管に2種類の気体を封入して放電させると,単独の気体だけの場合よりも低い電圧で放電が起きる.これがペニング効果である.準安定状態の励起原子が,それよりも低いイオン化電位をもつ第二の気体分子に衝突して,イオン化を起こし,自分は基底状態に戻ることを利用する.蛍光ランプの場合など,アルゴンガスに少量の水銀蒸気を加えて,点燈に必要な放電電圧を低くしているのはこの応用である.

出典 朝倉書店法則の辞典について 情報

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