ペルルミュテール(その他表記)Vlado Perlemuter

改訂新版 世界大百科事典 「ペルルミュテール」の意味・わかりやすい解説

ペルルミュテール
Vlado Perlemuter
生没年:1904-2002

ポーランド出身のフランスのピアノ奏者。生地でM.モシュコフスキに,次いでパリ音楽院でA.コルトー師事。1927年M.ラベル知遇を得,その全ピアノ作品を作曲家自身から学びつつ深く研究し,とくにその演奏によって高く評価された。また後年ジュルダン・モランジュHélène Jourdan-Molangeとのラジオ対談をもとに共著ラベルのピアノ曲Ravel d'après Ravel》(1953。邦訳1970)を刊行している。レパートリーはラベルに限られず,他のフランス音楽,そしてショパンの作品の優れた演奏によっても知られ,さらに室内楽でも活躍。50年ローザンヌ音楽院,51年パリ音楽院の教授となり,またカナダや日本でもたびたび公開講座を催した。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペルルミュテール」の意味・わかりやすい解説

ペルルミュテール
ぺるるみゅてーる
Vlado Perlemuter
(1904―2002)

リトアニア生まれのフランスのピアノ奏者。パリ音楽院でモシュコフスキとコルトーに学ぶ。のちラベルと親交を結び、ラベルのピアノ音楽解釈・演奏スタイルに関し直接教えを受け、ラベル弾きとして一家をなす。1951年からパリ音楽院教授。66年(昭和41)初来日。華やかな人気とは無縁だが、ラベルをはじめフランスの作品を馥郁(ふくいく)たる音楽に仕上げるしゃれた感覚で、独自の世界を築いた。

[岩井宏之]

『ヴラード・ペルルミュテール校訂・監修、岡崎順子訳『ラヴェル・ピアノ曲集』2・3(2001・音楽之友社)』

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