日本大百科全書(ニッポニカ) 「ペレス・ヒメネス」の意味・わかりやすい解説
ペレス・ヒメネス
ぺれすひめねす
Marcos Pérez Jiménez
(1914―2001)
ベネズエラの独裁者。タチラ州出身の職業軍人で、アンデス諸国で軍事教育を受けた。民主行動党(AD)のベタンクールらとともに1945年のクーデターに参加して、陸軍参謀総長となる。しかし急進的改革に反対して1948年に軍事クーデターを起こし、1952年に選挙を無視して大統領に就任。外国石油会社に寛大な開発権を与えて経済開発を進め、秘密警察を用いて独裁制を維持したが、1958年に追放された。公金横領の罪で1963~1968年に投獄されたのちスペインに渡るが、その後帰国し1969年の選挙で上院議員に当選。1994年に汚職のかどでふたたび獄中生活を送り、のちスペインに逃れ、2001年9月心臓麻痺(まひ)のためマドリードで没した。
[乗 浩子]