ホットジャズ(読み)ほっとじゃず(その他表記)hot jazz

精選版 日本国語大辞典 「ホットジャズ」の意味・読み・例文・類語

ホット‐ジャズ

  1. 〘 名詞 〙 ( [アメリカ] hot jazz ) 主にモダンジャズ以前のジャズ演奏で、黒人色が強く、即興を重視したものを漠然と指していう。
    1. [初出の実例]「恐らく四十、五十と齢ひ傾いて、ホットジャズのコンダクトを執るものは、あまり見受けないが」(出典:話‐昭和一三年(1938)三月号・ダンサーは何処へ行く?〈成富政治〉)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ホットジャズ」の意味・わかりやすい解説

ホット・ジャズ
ほっとじゃず
hot jazz

ジャズ用語。1930年代に、ジャズの手法を使ったコマーシャルなダンス音楽に対し、生命力の躍動する感じのジャズをさすことばとして用いられた。フランスのジャズ評論家ユーグ・パナシエHugues Panassié(1912―74)の名著『ホット・ジャズ』Le Jazz Hotが1934年に出版されたころから広く普及したが、40年代末には廃れ、かわりにリアル・ジャズ(純粋なジャズ)ということばが使われるようになった。

青木 啓]

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世界大百科事典(旧版)内のホットジャズの言及

【ジャズ】より

…スイスの指揮者アンセルメは,19年ウィル・マリオン・クックWill Marion Cookの黒人ダンス・バンドで,シドニー・ベシェCidney Bechet(1897‐1959)のクラリネットを聞いた感動を《レビュー・ロマンデ》に寄稿,この一文は世界最初のジャズ評論となった。ベルギーの弁護士で詩人のロベール・ゴファンRobert Goffinの著書《ジャズの辺境》(1932),フランスの評論家ユーグ・パナシエHugues Panassiéの著《ホット・ジャズ》(1934。1936英訳出版)は,最初のジャズ鑑賞の手引書であり,ジャズの本場アメリカで初めて本格的なジャズ書《ジャズメン》が出版されるのは39年になってからのことである。…

※「ホットジャズ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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