日本大百科全書(ニッポニカ) の解説
ホット・スプリングズ国立公園
ほっとすぷりんぐずこくりつこうえん
Hot Springs National Park
アメリカ合衆国、アーカンソー州中西部、クワチタ山脈中の国立公園。面積23.6平方キロメートル。1921年制定。ホット・スプリングズ市などリゾート地域の真ん中に位置する温泉公園で、薬効のある約62℃の湯が、園内の47の温泉口から1日平均3.8億リットル噴出し、園内と園外の地域のバス・ハウスに供給されている。面積は小さいが、景観のよいハイキング道がつくられ、喧噪(けんそう)を遮る深い森林には、100種以上の野鳥をはじめ数多くの野生動物が生息し、四季を通じて花の絶えることがない美しい自然を残している。とくに藍藻(らんそう)植物の繁殖が珍しい。周囲はスポーツやレクリエーション施設・設備が整い、行楽客にも人気が高い。温泉は古くからインディアンが病気治療の目的に利用していたが、1541年にスペイン人が白人として初めて探検し、1832年には国の留保区域に指定された。
[作野和世]