大学事典 「ボケーショナル教育」の解説
ボケーショナル教育
ボケーショナルきょういく
古典的な専門職養成や大学院レベルでの専門職教育と並行して,大学学士課程以下のレベルで,特定の職業または一定の広範囲の職業に向けての職業教育があり,ボケーショナル教育と位置づけられる。J. デューイの『経験と教育』から敷衍すれば,職業の,職業による,職業のための教育として定義できよう。教育の目的・方法・統制のそれぞれの次元で産業や職業の関係者の関与が明確に設定されたボケーショナル教育として,2014年度から専門学校の職業実践専門課程(日本),15年度からは大学の職業実践力育成プログラム(日本)が,厚生労働省教育訓練給付金制度と連携した文部科学省の認定制度としてスタートしている。ただし,大卒ホワイトカラー層については新卒市場での職業技能ニーズが明確でなく,技能習得や現場の関係性理解のための,実習やインターンシップが十分に展開できないままであることが課題となっている。
著者: 吉本圭一
参考文献: 吉本圭一「専門学校と高等職業教育の体系化」,広島大学高等教育研究開発センター『大学論集』第40集,2009.
出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報