世界遺産詳解 「ボロブドゥル寺院遺跡群」の解説 ボロブドゥルじいんいせきぐん【ボロブドゥル寺院遺跡群】 1991年に登録されたインドネシアの世界遺産(文化遺産)。ジャワ島中部、古都ジョクジャカルタの北西にあるケドゥ盆地中央に位置する。770年頃から820年頃にシャイレンドラ朝によって建造された世界最大の仏教遺跡で、カンボジアのアンコール、ミャンマーのバガンとともに世界三大仏教遺跡と呼ばれる。シャイレンドラ朝に替わって君臨したマタラム王国がヒンドゥー教を奉じ、さらに15世紀以降はイスラム教が定着したため、1000年近くジャワの歴史から姿を消していたが、イギリスの植民地下にあった1814年、副総督トーマス・スタンフォード・ラッフルズによって密林の草木と火山灰に埋もれているのが発見された。約115m四方の基壇の上に5層の方壇と3層の円壇が積み上げられ、頂上には大ストゥーパ(仏塔)が建つ。各円壇には仏坐像が内部に安置された小ストゥーパが林立し、方壇の各層を巡る回廊と、基壇の背後に残された「隠れた基壇」の壁面には、仏教説話を伝えるレリーフが並んでいる。歴史上貴重な仏教遺跡であり、「静謐な空気の中で熟れた果実」と表現されるその美しさと壮大さなどが評価されて、世界遺産に登録された。◇英名はBorobudur Temple Compounds 出典 講談社世界遺産詳解について 情報