最新 地学事典 「ボードウィン鉱山」の解説
ボードウィンこうざん
ボードウィン鉱山
Bawdwin mine
中国雲南省との国境に近いミャンマーの北部シャン州にあり,世界的にも高品位の銀・鉛・亜鉛鉱床の一つとして著名。上部カンブリア系~下部オルドビス系のPangyun層の堆積岩(珪岩・砂岩・頁岩)・流紋岩質砕屑岩を母岩とし,NW-SE方向のボードウィン断層帯に沿って配列する熱水性鉱脈鉱床。北西側からShan, Chinaman, Meingthaの3鉱体に分かれて南東へ急傾斜,下盤側に網状脈を伴う。Shanの上部はCu(~10%),Meingthaの下部はCu(~10%)とCo・Ni(計2~3%)に富む。鉱石品位の一例:Pb22%,Zn16%,Cu0.3%,Ni0.2%,Co0.1%,Ag0.06%,Sb1.12%,As0.6%,Bi0.05%,S14%。鉱石は方鉛鉱・閃亜鉛鉱・黄銅鉱のほか多種類のAg・As・Sb・Bi鉱物を伴う。脈石は石英・方解石・重晶石,母岩変質は石英・セリサイト・緑泥石。Chinaman上部酸化帯にはPb・Znの炭酸塩・硫酸塩・ニッケル華など含む。1412年明朝の中国人が採掘を始め,450年間に約300tの銀を生産。当時のスラグはなおPb+Zn=60%,Ag50~100ɡ/tを含んでおり,1900年,ビルマ人による再開発はスラグの処理から始まった。65年国有化。1909~75年の粗鉱生産量1,100万t。高品位鉱はほぼ採掘済で低品位鉱約800万tを残す。
執筆者:矢島 淳吉
出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

