ポストハーベスト(英語表記)post harvest

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポストハーベスト」の意味・わかりやすい解説

ポストハーベスト
post harvest

害虫カビの発生を防止するため,貯蔵輸送などにあたり,収穫後の農産物農薬を散布すること。アメリカ合衆国やヨーロッパ諸国などでは一般化している。日本ではポストハーベストに用いる農薬は食品添加物に該当し,食品衛生法の規定によって,指定以外のポストハーベスト農薬を使用する食品の輸入,使用,販売が禁止されている。また,収穫前後にかかわらず,農薬の使用については残留基準値が設けられている(→残留農薬基準)。1993年産米の凶作による大量のコメの緊急輸入の際には,基準値のない農薬や農産物は輸入時の検査対象ではなかったため,厚生省や食糧庁が輸入米の安全性について,輸出国と日本での陸揚げ時に検査を行なったほか,アメリカからの輸送には冷蔵船を使用するなどして対応した。2006年に,一定量をこえた農薬が残留する食品の販売を原則禁止とするポジティブリスト制度が施行され,これまで規制対象ではなかった無登録の農薬に関しても,一律基準が設けられ,その残留が規制されるようになった。

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