ポリュフェモス

百科事典マイペディア 「ポリュフェモス」の意味・わかりやすい解説

ポリュフェモス

ギリシア伝説の単眼巨人キュクロプスたちの一人ポセイドン息子オデュッセウスに退治され,ために彼はポセイドンに帰国を妨げられることになった。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポリュフェモス」の意味・わかりやすい解説

ポリュフェモス
Polyphēmos

ギリシア神話の一眼巨人キュクロプスたちの1人。ポセイドンの息子。トロイからの帰途,彼の住む土地に立寄ったオデュッセウスを 12人の部下とともに洞穴に閉じ込め,彼の部下を6人食べたが,酔いつぶれたすきに,オデュッセウスに火で焼いた棍棒で眼をつぶされた。これが原因となって,以後オデュッセウスはポセイドンの怒りを買い,帰国まで長い間多くの苦難にあわなければならなかった。

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世界大百科事典(旧版)内のポリュフェモスの言及

【ガラテイア】より

…ギリシア神話の海のニンフで,海神ネレウスの娘の一人。一つ目巨人ポリュフェモスPolyphēmosの求愛を受けたが,彼女にはアキスAkisという恋人がいた。二人の逢いびきがポリュフェモスに知られるところとなり,怒り狂った巨人が投じた岩によってアキスは死に,川に変じたという。…

【キュクロプス】より

…ホメロスの《オデュッセイア》によれば,彼らは単眼の巨人族で,法も耕作も知らず,羊を飼って暮らしていた。彼らの住む島(シチリア島?)に着いたオデュッセウスとその部下がポリュフェモスPolyphēmosという名のキュクロプスの洞穴に迷いこみ,部下がつぎつぎと食われていったとき,オデュッセウスの計略で巨人の眼をつぶして逃れた話は有名。一方,ヘシオドスの《神統記》によれば,彼らは天空神ウラノスと大地女神ガイアの3人の息子ブロンテスBrontēs(雷鳴),ステロペスSteropēs(電光),アルゲスArgēs(閃光)とされ,父の手で地底に幽閉されたが,のちゼウスに解放され,クロノス一派と矛を交えたゼウス兄弟の味方となってその勝利に貢献したという。…

【ポセイドン】より

…彼はまたアポロンとともにトロイア王ラオメドンのために城壁を築いてやったが,王が約束の報酬を払わなかったため,海から怪物を送って住民を苦しめ,ラオメドンの子プリアモスの代になって起こったトロイア戦争では,つねにギリシア方の味方をした。しかしトロイア陥落後,帰国途上の英雄オデュッセウスにわが子の単眼巨人ポリュフェモスが盲にされたことを怒り,オデュッセウスの帰国を妨害しつづけたという。彼の子どもには,ポリュフェモスのほか,妃アンフィトリテAmphitritē(海の老神ネレウスの娘)との間にもうけた半人半魚の神トリトン,女怪ゴルゴンのひとりメドゥーサを母とする天馬ペガソス,巨人の猟師オリオンなどがいる。…

※「ポリュフェモス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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