出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…一定の水深まで埋立てが進むと埋立地に設置した陸揚機械で土運船から土を汲み上げ,さらに埋立てが進めばベルトコンベヤ,ダンプカーで埋立予定地に土を直接運び込むことも行われる。神戸のポートアイランドはこの工法で造成された。
[埋立ての特徴]
埋立ては干拓と異なり,満潮時の水面より高い土地が得られるから,高潮などの被害は少なくてすむ。…
…大阪平野の海岸線では,江戸時代を通じて盛んであった干拓による新田開発に続いて,明治後期からの大阪,神戸の築港工事,さらに昭和30年代以降に大規模な海岸埋立て事業が相次いだ。大阪南港,北港,堺泉北,ポートアイランド,六甲アイランドなど,巨大な人工島も造成されている。また高潮対策のため防潮堤がつくられて,海岸線の大部分は人工海岸となり,白砂青松で知られた海水浴場はほとんど姿を消した。…
…面積では市全体のわずか1/8のこの区域に人口の約6割が集中している。こうした地形上の制約で神戸の市街地の拡大は長らく妨げられていたが,昭和30年代に入って山を削って海を埋める大事業が始められ,現在では市街地は六甲山地の西や北に広がる一方,ポートアイランドや六甲アイランドの海上都市が誕生した。1966年から15年の歳月を経て完成したポートアイランドは面積436ha,人口2万人の人工島で,ホテル,国際会議場,ファッション関係の業務施設などが立地し,周辺はコンテナー船バース11,ライナーバース15の巨大港湾施設を配置している。…
…とくに六甲山が背後に迫る神戸市では,山を削って住宅団地を建設する一方,海面を埋め立てて港湾や工業用地を造成する工事が大規模に行われ,埋立地に製鉄所や輸入食料品の加工工場などが立地した。一方,沖合に1966年に着工し81年完成した人工島ポートアイランド(436ha)と,ほぼ10年遅れて着工した六甲アイランド(480ha)は,日本最大のコンテナー埠頭や住宅団地,ホテル,ビジネス地区もある海上都市となっている。しかし,これまで神戸市の繁栄を支えてきた港湾に関係の深い産業は,素材産業や海運の不況などの影響で衰え,先端技術産業やファッション産業の育成など新しい分野への転進が課題となっている。…
※「ポートアイランド」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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