ポーレット法(読み)ポーレットほう(その他表記)Paulette

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ポーレット法」の意味・わかりやすい解説

ポーレット法
ポーレットほう
Paulette

1604年フランス官職保有者に対してその官職継承権を公認した法。その名は発案者である金融業者シャルル・ポーレにちなむ。フランスの官職保有者は毎年官職継承税マルク・ドールを支払い,かつ死ぬ 40日以前に辞任と継承の宣告をすることで子息に相続させえたが,この法はさらに官職年税を9年間払うことにより 40日規定を免除した。これは官職継承を容易にし,官職の世襲売官自由を認めたものである。

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世界大百科事典(旧版)内のポーレット法の言及

【アンリ[4世]】より

…同時に,ラフマの助言を用い,絹織物やガラスなど工業の育成にも努めた。また,1604年には売官制を確立したポーレット法を発布したが,これは新興のブルジョアジーに法服貴族として出世する道を開き,結果的に貴族身分による行政機構の独占を打破することによって,王権の強化に大きな役割を果たすことになる。こうして絶対王政の基礎を築く一方,1600年にはマリー・ド・メディシスと再婚,翌年王太子ルイを得た。…

【売官】より

…爵位,官職を金銭とひきかえに譲渡する慣行,制度をいう。一般には官職売買ともいわれる。
[中国]
 中国の場合,時代により貲選(しせん),進納,捐納(えんのう)など呼称は変わるが,米穀または金銭上納の代償として爵位,官職を与える制度は秦・漢にさかのぼる。納粟授爵は商鞅(しようおう)時代にあったとされるが,始皇帝4年(前243)には粟千石を納めれば爵一級が与えられた。前漢の文帝は鼂錯(ちようそ)の建言で,600石から1万2000石の納粟者に段階に応じて爵を授けた。…

※「ポーレット法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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