誘電体として長方形のマイカ(雲母(うんも))薄板を用いるコンデンサー。マイカの分子構造は非常に複雑で種類も多いが、コンデンサー用としてはおもに白マイカが用いられ、透明なものほど誘電的性質が優れている。比誘電率は6~8で、厚さ0.01~0.05ミリメートルの薄板を用いて0.1マイクロファラドぐらいまでのものが製品化されている。構造面からみると、電極箔(はく)とマイカ薄板を交互に積み重ねてつくるスタック型と、マイカ薄板に電極銀を焼き付けたものを所要の枚数積み重ねたシルバード型の2種類に分かれる。シルバード型は電極とマイカが密着しているため特性が安定しており、主として通信機用に使用される。スタック型は、送信機などに用いる高周波電力用コンデンサーとして使用されることが多い。
[坂田好一郎]
…対向面に電極をもつ円板や円筒形セラミックスのものと,薄いセラミックスと電極を交互に積み重ねたものとがある。積層構造によって電気容量の増大を図る積層形コンデンサーには,誘電体としてセラミックスを用いたもののほか,古くからあるマイカコンデンサーや新しいガラスコンデンサーが含まれる。きわめて薄い誘電体皮膜を電気化学的に作る電解コンデンサーには+,-の極性があり,湿式および乾式と固体電解コンデンサーが含まれる。…
※「マイカコンデンサー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」