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誘電体 ゆうでんたいdielectric substance

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

誘電体
ゆうでんたい
dielectric substance

絶縁体,電媒質ともいわれる物質。静電場を加えると分極を生じるが,導体と異なり,自由電子がほとんどないので直流電流はほとんど流れない。しかし交流電場では分極の遅れによる交流電流があり,誘電損失を伴う。誘電体の電気的特性を表わす量としては分極率誘電率があり,コンデンサの容量増加などに利用される。誘電体のなかには外部電場なしに存在する自発分極をもったものもあり,強誘電体と呼ばれる。

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百科事典マイペディアの解説

誘電体【ゆうでんたい】

電場内におくと誘電分極を生じる物体。電気的絶縁体と同義。絶縁体はすべて誘電体で,その性質は誘電率誘電損失で示される。誘電体はふつう蓄電器に,極間の絶縁をよくし容量を増すため用いられる。
→関連項目電束密度特殊陶磁器

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世界大百科事典 第2版の解説

ゆうでんたい【誘電体 dielectrics】

電気の絶縁体を電場の中におくと,正電荷は電場の方向に,負電荷は電場と反対方向に微小変位し,物質の構成要素は電気双極子モーメントをもつようになる。この現象を電気分極といい,電気分極の起こる物質を誘電体という。すなわち絶縁体と誘電体は同義であり,前者は電気の伝導性からみたときの呼名ということができよう。 電気分極(単位体積当りの電気双極子モーメント)P,誘電体内の電場E,電束密度Dの間には, D=ε0EP ……(1)  D=ε′E=ε0εE ……(2)  P=ε0χE ……(3) という関係が成り立つ。

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大辞林 第三版の解説

ゆうでんたい【誘電体】

静電場を加えるとき誘電分極を生じるが、直流電流を生じない物質。電気的絶縁体。電媒質。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

誘電体
ゆうでんたい
dielectric substance

物質の中に電気分極(誘電分極または単に分極ともいう)が外部電界で誘起される性質、および本来電気分極が存在する性質が、物質の誘電性である。その誘電性に注目され、あるいはその誘電性が利用される物質が誘電体である。物質の誘電性は、普通この物質の電気絶縁性が高いほど明快であるので、具体的な物質としては、誘電体は絶縁物に近いものが多い。しかし、誘電性と絶縁性とはまったく別の性質であり、優れた誘電材料と優れた絶縁材料とは別の物質である。
 電磁気学によると、物質の電気分極P、物質の電束密度Dと電界Eとの間には、つねにD0E+Pという関係式が成り立つ。ここにε0は真空の誘電率である。[沢田正三]

誘電体の分類

誘電性は常誘電性と強誘電性とに分けられ、これに対応して、誘電体は常誘電体と強誘電体とに分けられる。
(1)常誘電体 常誘電性は普通の誘電性であって、外部電界によって誘起される電気分極すなわち誘起分極だけを示す性質である。常誘電性を示す誘電体が常誘電体である。
 常誘電体では、普通DEに比例しD=εε0Eが成り立つ。ここに、εε0は絶対誘電率であり、εは比誘電率であるが単に誘電率ともいわれる。常誘電体としては、気体、液体のものもあるが、誘電材料として重要なものはほとんど固体である。
(2)強誘電体 強誘電性は、Eの交流的変化に伴って、DとEとの関係はD‐E履歴曲線(単に履歴曲線ともいう)となる。この曲線の特色は、Eの増加の際と減少の際とでDが異なること、E=0でもD≠0であること、十分大きなEに対してDの飽和がみられることである。強誘電性でE=0でもD≠0であることは、本来電気分極Pが存在することである。かつ、この分極の極性は電界Eの極性の反転とともに反転する。このような分極は自発電気分極(または単に自発分極)とよばれ、強誘電性は自発分極が存在する性質ということができる。強誘電性には誘起分極も存在する。強誘電性を示す物質が強誘電体である。強誘電体はほとんどつねに、それぞれに特有の温度で(多くは加熱の際)相転移をおこして、強誘電性状態から常誘電性状態へ移る。この温度はキュリー温度またはキュリー点といわれる。強誘電性は、結晶にだけ、それも特殊な対称性(結晶構造)をもつ結晶にだけみられる。結晶はその対称性から圧電性を示すものと示さないものとに分かれ、圧電性を示すものはさらに焦電性を示すものと示さないものとに分かれる。焦電性を示す結晶は極性結晶といわれ、これには本来広義の電気分極が存在するが、一般の極性結晶ではこの分極は電界の反転とともに反転はしない。極性結晶のうちで、電界とともに反転する分極すなわち自発分極をもつものが強誘電体である。自然界に極性結晶はきわめて多数存在するが、それらのうちで強誘電体であるものは少数である。今日までに約250種類の強誘電体が知られている。[沢田正三]

誘電体の実用価値

誘電体は、コンデンサーの材料としてきわめて広範囲に使用されているし、圧電材料、焦電材料としても重要である。圧電材料、焦電材料としては強誘電体が用いられることが多い。強誘電体は電歪(でんわい)材料、電気光学材料などにも用いられる。[沢田正三]
『岡田利弘編『電気物性』(『実験物理学講座16』1977・共立出版)』

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世界大百科事典内の誘電体の言及

【電気】より

…われわれがいえるのは,ミクロの粒子は電荷という量をもち,粒子が作る電場や磁場の強さは電荷に比例し,また粒子が電場や磁場の中で受ける力も電荷に比例するということまでである。電荷
[導体と絶縁体]
 電気的性質に着目するとき,物質は導体と絶縁体(誘電体ともいう)に大別され,さらにその中間の性質をもつものとして半導体がある。固体の導体すなわち金属では,結晶を構成する原子の原子価電子は,原子を離れて結晶中を動きまわれるので,伝導電子と呼ばれる。…

※「誘電体」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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