マイクロフィラメント(読み)まいくろふぃらめんと(英語表記)microfilament

日本大百科全書(ニッポニカ) 「マイクロフィラメント」の意味・わかりやすい解説

マイクロフィラメント
まいくろふぃらめんと
microfilament

真核細胞の細胞質にみられる、4~7ナノメートルの太さの繊維状構造をいう。微小繊維、微小糸、微細糸ともよぶ。個々の繊維が平行に集まって束を形成している場合が多いが、細胞膜下に網目構造をとる場合もある。アクチン分子が、37ナノメートルの繰り返し周期の二重螺旋(らせん)状に重合したものと考えられている。この点で、筋肉の細いフィラメントと本質的には同一と考えられるが、筋肉のものに比べ容易に生成・消滅する。骨格筋のH-メロミオシンと結合し矢じり状構造を示す。免疫蛍光法によって、光学顕微鏡でもその存在を知ることができる。マイクロフィラメントは、原形質流動アメーバ運動、先体反応などの非筋肉性細胞運動に関係しているとされている。

[馬場昭次]

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