マラリアの現状

六訂版 家庭医学大全科 「マラリアの現状」の解説

マラリアの現状
(感染症)

 全世界の人口の約10%がかかっていると推定され、熱帯亜熱帯の開発途上国に蔓延(まんえん)しているマラリアですが、現在、日本国内で感染する危険性はありません。近年新たに見つかっている日本国内での患者さんはすべて海外の流行地で感染し、国内に持ち込まれた輸入症例ばかりです。

 しかし、国内での発生が少ないことが逆に、患者さんを実際に診察する医師の経験不足につながっています。実際、診断・治療の遅れによる熱帯熱マラリアによる死亡例がこれまで数件起こっています。

 また、薬剤耐性をもつマラリア原虫の流行する国や地域は年々広まっていますし、地球温暖化によって、媒介する蚊の生存域も変化しています。アフリカ東南アジア中南米などの熱帯地域を旅行する時には、ぜひ注意しておくべき重要な感染症のひとつです。

出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

関連語 まんえん 蔓延

中国のゴビ砂漠などの砂がジェット気流に乗って日本へ飛来したとみられる黄色の砂。西日本に多く,九州西岸では年間 10日ぐらい,東岸では2日ぐらい降る。大陸砂漠の砂嵐の盛んな春に多いが,まれに冬にも起る。...

黄砂の用語解説を読む