マーミンシビリャーク(その他表記)Dmitrii Narkisovich Mamin-Sibiryak

改訂新版 世界大百科事典 「マーミンシビリャーク」の意味・わかりやすい解説

マーミン・シビリャーク
Dmitrii Narkisovich Mamin-Sibiryak
生没年:1852-1912

ロシアの作家。ウラル司祭の家庭に生まれ,ペルミの神学校卒業後ペテルブルグ医科大学に学んだ。ナロードニキ思想の影響を受け,1877年から14年間にわたってエカチェリンブルグに住み,ウラル地方独特の民衆習俗をつぶさに観察し,《プリワーロフ家の巨富》(1883),《山の巣窟》(1884),《ゴルデーエフ兄弟》(1891)などの地方文学の傑作を残した。そこには鉱山に群がる山師的企業家の放蕩浪費とは対照的な民衆の素朴な生活と道徳的高潔さが活写されている。童話作家としても有名で,《アレーヌシカのお話》(1894-96),《猟師エメーリャ》(1884)は児童文学の古典とされている。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「マーミンシビリャーク」の意味・わかりやすい解説

マーミン=シビリャーク
Mamin-Sibiryak, Dmitrii Narkisovich

[生]1852.11.6. スベルドロフスキー
[没]1912.11.15. ペテルブルグ
ロシアの小説家。シビリャーク (シベリア人の意) は筆名。司祭の家に生れ,神学校卒業後,1875年から文筆活動に入った。主要なテーマは,ウラル地方の資本主義の発達と,それに伴う貨幣の人間支配,道徳的退廃で,『プリバーロフの巨富』 Privalovskie milliony (1883) ,『ウラル物語』 Ural'skie rasskazy (88~89) はその代表作。ほかに自伝的色彩の濃い長編『ペプコの生涯の物語』 Cherty iz zhizni Pepko (94) や,児童向けの『アリョーヌシカのおとぎ話』 Alënushkiny skazki (94~97) が知られる。

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