ミズオトギリ(読み)みずおとぎり

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミズオトギリ」の意味・わかりやすい解説

ミズオトギリ
みずおとぎり / 水弟切
[学] Triadenum japonicum (Bl.) Makino

オトギリソウ科(APG分類:オトギリソウ科)の多年草。地下茎を伸ばして広がる。地上茎は直立し、高さ30~70センチメートル。葉は長楕円(ちょうだえん)状披針(ひしん)形で長さ3~8センチメートル、先は丸く、明点があり、柄はない。夏、茎上部の葉腋(ようえき)に花序をつくり、花を3個ほど開く。花柄は葉より短く、花は淡紅色で径1センチメートル、午後開いて夕方しおれる。雄しべは9本で、3本ずつ集まり、中央部まで合着する。雄しべに互生して3個の腺体(せんたい)がある。蒴果(さくか)は卵形。名は、水生のオトギリソウの意味。沼地湿地に生え、日本、および朝鮮半島、中国東北部、ウスリーに分布する。

[杉山明子 2020年7月21日]

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