日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミッチェルリヒの検糖計」の意味・わかりやすい解説
ミッチェルリヒの検糖計
みっちぇるりひのけんとうけい
Mitscherlich's saccharimeter
ドイツのミッチェルリヒによって考案されたもっとも簡単な形の検糖計をいう。光学活性物質である糖類の旋光度を測定することにより、その濃度を求めるためにつくられたものである。光源から出た光を偏光子で平面偏光し、これを測定すべき試料溶液に照射し、その透過光の旋光の程度を検光子で検出する(偏光子と検光子は同一の軸の周りに回転できるニコルのプリズムである)。最初に、試料を入れないときに偏光子を通った偏光を通さないように検光子を回転して、視野が暗黒になるようにしておく。このときの検光子の回転角を0度とする。ついで試料を入れると、偏光子を出た偏光が試料のために旋光されて視野が明るくなり、検光子を適当に回転させるとふたたび視野が暗くなる。このとき回した角度θにより比旋光度がわかり、その値から濃度を求めることができる。
[高田健夫]