比旋光度(読み)ひせんこうど(英語表記)specific rotatory power

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

比旋光度
ひせんこうど
specific rotatory power

物質の旋光性の程度を表わす尺度。光学活性をもつ物質 1g を,光学的に不活性な溶媒 100cm3に溶かして得られる溶液について,その液層 1dm を通過するとき,平面偏光の偏光面が回転する角度を比旋光度という。 c を光学活性をもつ物質の溶媒 100cm3中のグラム数,液層を l (単位デシメートル) ,偏光面の回転角をαとすると,この物質の比旋光度 [α] は次式で表わされる。
ここで λ は測定に使った平面偏光の波長 (オングストローム) ,t は測定温度 (℃) である。測定用光源にはナトリウムのD線がよく使われる。たとえばショ糖の比旋光度は ,あるいは で表わす。これはナトリウムD線に対するショ糖の比旋光度が 20℃で 66.5゜であることを示す。結晶の比旋光度は 1mmの厚さで測定する。純液体の場合には,ρ を液体の密度とすると で表わされる。

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デジタル大辞泉の解説

ひ‐せんこうど〔‐センクワウド〕【比旋光度】

物質の旋光性を比較するために用いられる尺度。溶液または純液体の旋光度は、濃度、通過距離に比例し、温度や波長に依存する。

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百科事典マイペディアの解説

比旋光度【ひせんこうど】

旋光性の大小を表す量。溶液の場合などでは,光学活性物質の濃度によって旋光角の大きさが変わるので,そのことを考慮して比旋光度の尺度が決められている。すなわち,旋光角をα,光が通る試料の厚さをl(10cm単位),光学活性物質の密度をd(g/cm3)とするとき,α/ldによって比旋光度を表す。この値は光の波長や温度によっても変化するので,これらの測定条件も表示するのが普通である。
→関連項目検糖計

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化学辞典 第2版の解説

比旋光度
ヒセンコウド
specific rotatory power

旋光性物質の旋光能力を表す量.旋光能を有する物質の一定の厚さを,直線偏光が透過するときに偏光面が回旋される角度で表す.旋光計で測定される回旋角αは,同一物質でも用いた光の波長および温度によってかわるので,これらの条件を次のように付記して表す.たとえば, はナトリウムのD線を用い,25 ℃ で測定した比旋光度を,また,たとえばは水銀の546.1 nm の緑線を用いてt ℃ で測定した値であることを示す.純粋な液体または溶液のは1 dm の液層を偏光が透過したときの回旋角で表される.ただし,溶液の場合は1 g の溶質が,不活性な溶媒溶液1 mL 中に含まれるような溶液として用いる.したがって,100 mL 中にc g の溶質が含まれる溶液l dm の回旋角がαのときの比旋光度は

= 100α/lc
となる.[別用語参照]モル旋光度

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典内の比旋光度の言及

【旋光性】より

…これは物質に固有な値を示し,不斉原子をもつ有機化合物,金属錯体や有機金属化合物などの分子構造を研究する有力な量となる。旋光度は偏光面の回転した角度(旋光角)で表すが,一般に旋光角は旋光性物質の層の厚さ,ないしは旋光性物質の分子数に比例するので,物質に固有な量として比旋光度specific rotatory powerを用いる。(1)比旋光度は,旋光角をα度として,で表される。…

※「比旋光度」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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