日本大百科全書(ニッポニカ) 「ミミイカ」の意味・わかりやすい解説
ミミイカ
みみいか / 耳烏賊
bobtail cuttlefish
[学] Euprymna morsei
軟体動物門頭足綱ダンゴイカ科のイカ。北海道南部以南から日本全国を経て、台湾、フィリピンにまで分布する。外套(がいとう)長は50ミリメートル、幅30ミリメートルぐらいに達する。ひれは丸く、胴の中ほどについていて「耳」のようである。腕は外套長よりやや長く、吸盤は4列に並んでいる。触腕の吸盤は顕微鏡的で無数にある。外套腔(こう)の中の墨汁嚢(のう)の上には鞍(くら)形をした発光器があり、その中に発光バクテリアが共生していて発光する。沿岸近くにすんでいて、他の雑魚(ざこ)といっしょに漁獲されるが、商業価値は低い。
[奥谷喬司]