雑魚(読み)ザコ

デジタル大辞泉 「雑魚」の意味・読み・例文・類語

ざ‐こ【雑魚/喉】

《「ざっこう(雑喉)」の音変化》
いろいろな種類の入り交じった小魚。また、小さい魚。じゃこ。
地位の低い者、取るに足りない者をたとえていう語。小物。「―は相手にしない」
[類語](1うおさかな魚族稚魚幼魚・若魚・成魚川魚かわうお川魚かわざかな淡水魚海水魚深海魚熱帯魚回遊魚・暖流魚・寒流魚・出世魚生魚せいぎょ生魚なまざかな活魚生けうお鮮魚青魚光り物猫跨ぎ/(2小物雑輩有象無象

じゃ‐こ【雑魚】

ざこ」に同じ。「だし雑魚

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「雑魚」の意味・読み・例文・類語

ざ‐こ【雑魚・雑喉】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「ざっこう(雑喉)」の変化した語か )
  2. いろいろの種類がいりまじった小魚。小さい魚。こざかな。じゃこ。ざっこ。
    1. [初出の実例]「誘(いざ)(た)べ隣殿 大津の西の浦へざこ漉(す)きに 此の江に海老無し彼(あ)の江へ往坐(いま)せ 海老混(ま)じりのざこやあると」(出典梁塵秘抄(1179頃)二)
  3. 地位の低い者、つまらない者をたとえていう。こもの。したっぱ。
    1. [初出の実例]「君が大物なら、草の根をわけても捜索するだらうが、言わば君は雑魚(ザコ)じゃよ」(出典:てんやわんや(1948‐49)〈獅子文六〉日陰者)

雑魚の語誌

( 1 )語源はザフコウ(雑喉)がザッコウ、ザコと変化したとする説が一般化しているが、確証は無い。「ジャ(ザ)」は「ウジャウジャ」などの擬声擬態の「ジャ」、「コ」は「子(小)」で、純粋な和語の口頭語と考えることもできる。そうだとすると、「雑魚」の表記は、当て字と考えられる。さらにくだって、室町時代、「雑喉」の表記が見られるが、これも新しい当て字とみるべきと思われる。
( 2 )漢籍には「雑魚」「雑喉」という語は見出せないため、漢語起源とするとは考え難い。


ざっ‐こ【雑魚・雑喉】

  1. 〘 名詞 〙 「ざこ(雑魚)」の変化した語。〔黒本本節用集(室町)〕
    1. [初出の実例]「上州から来る鮒や雑魚(ザッコ)の旨(うま)いのは」(出典:田舎教師(1909)〈田山花袋二八)

じゃ‐こ【雑魚】

  1. 〘 名詞 〙 「ざこ(雑魚)」の変化した語。〔男重宝記(元祿六年)(1693)〕
    1. [初出の実例]「汝もまた一転せば我釜の内の小魚(ジャコ)なるべし」(出典:春迺屋漫筆(1891)〈坪内逍遙〉梓神子)

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