ミンタカ峠(英語表記)Mintaka Pass

改訂新版 世界大百科事典 「ミンタカ峠」の意味・わかりやすい解説

ミンタカ[峠]
Mintaka Pass

パキスタンアフガニスタン,中国の3国国境交会部近くの峠。標高4706m,カラコルム山脈パミール高原との接点にあたるアギール山脈中にある。同峠は,現在の新疆ウイグル(維吾爾)自治区南西端のオアシス交易都市として栄えたタシュクルガン(塔什庫爾干)から,フンザギルギットを経てカシミールに至る最短路上に位置し,古くから中央アジアとインドとを結ぶ交易路として利用されてきた。5世紀初めには法顕(ほつけん)がここを通り,1902年に第1回大谷探検隊がここを通ってタシュクルガンからスリーナガルに出ている。1978年開通のカラコルム・ハイウェーは,本峠東方のクンジェーラブ峠(4934m)を通過することになり,交通上の重要性は完全に低下した。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ミンタカ峠」の意味・わかりやすい解説

ミンタカ峠
ミンタカとうげ
Mintaka Pass

中国語では明鉄蓋の字をあてる。中国のシンチヤン (新疆) ウイグル (維吾爾) 自治区とインド亜大陸のカシミール地方との境にある峠。標高 4755m。カラコルム山脈を越える峠で,タリム (塔里木) 盆地の西端にあるカシュガル (喀什 噶爾) 市からターシュクルガーン (塔什庫爾干) タジク (塔吉克) 自治県を経て,インダス川流域のギルギットにいたる道路が通る。

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世界大百科事典(旧版)内のミンタカ峠の言及

【カラコルム[山脈]】より

…河岸段丘上の小平地には灌漑農業によって集落が成立し,フンザ川のバルティットは小王国の首邑となったが,土地の高さ,けわしい地形,きびしい気候のため人間が住める土地は少ない。中央アジアとインドを結ぶ長距離隊商交易が東のカラコルム峠(喀喇昆侖山口,5570m),西のミンタカ峠(明鉄蓋達坂,4709m)などを越えて行われてきた歴史がある。カシュガル(喀什)からフンジェラブ峠(紅其拉甫達坂,4703m)を越えてフンザ川の谷を下りギルギットに至る,中国とパキスタンを結ぶ最初の自動車道路が,両国の協力によって1978年に開通している。…

※「ミンタカ峠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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