改訂新版 世界大百科事典 「ムスタファレシトパシャ」の意味・わかりやすい解説
ムスタファ・レシト・パシャ
Mustafa Reşid Paşa
生没年:1800-58
オスマン帝国の政治家。タンジマートの推進者。スルタン,マフムト2世(在位1808-39)にその才能を認められて重用され,1834年以後は,パリおよびロンドンの駐在大使,さらには外務大臣を歴任した。アブデュルメジト1世が即位すると,西欧化改革の必要性をスルタンに説き,タンジマート勅令を起草して,39年10月にそれを公布した。以後,外務大臣,大宰相などの要職を占め続け,オスマン帝国の西欧化に努力するとともに,クリミア戦争後のパリ講和会議にも全権代表として出席し,内政・外交両面でオスマン帝国をリードしていった。アーリー・パシャ,フアト・パシャをはじめ,後に活躍する多くの政治家,知識人を育てたのも彼であった。
執筆者:新井 政美
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報