改訂新版 世界大百科事典 の解説
メガントロプス・パレオジャワニクス
Meganthropus palaeojavanicus
ケーニヒスワルトG.H.R.von Koenigswaldが,1941年にジャワ島のサンギランSangiranで発見した巨大な下顎骨化石(S 6a。通称Meganthropus A)に付けた名称。メガは巨大,アントロプスはヒト,パレオは古い,ジャワニクスはジャワ島の意味。他にも,下顎骨(S 8など)と頭蓋(S 27,31など)が発見されている。ジャワ原人の平均的な化石と比べると,下顎骨は大きく厚く頑丈であり,歯も大きく歯根が太く長い。頭蓋は厚く顔面は頑丈である。そのため,アフリカのパラントロプスとの類似性が強調された。その後も,独立の属あるいは種かどうか議論があったが,現在では,ホモ・ハビリス的な特徴を残している初期のジャワ原人の化石と見なされ,ホモ・エレクトスに含まれると解釈されている。
→頑丈型猿人 →ジャワ原人 →ホモ・ハビリス
執筆者:馬場 悠男
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報