日本大百科全書(ニッポニカ) 「メダマウオ」の意味・わかりやすい解説
メダマウオ
めだまうお / 目玉魚
ronquil
硬骨魚綱スズキ目メダマウオ科の魚類の総称。寒海性の魚類で、おもに北海道周辺海域、オホーツク海、北部北太平洋に分布する。体は細長く、ハゼ形で、すこし側扁(そくへん)する。背びれは1基で後頭部から、臀(しり)びれも1基で胸びれの後縁の下方近くから、それぞれ尾柄(びへい)まで達する。背びれ前部の2本は棘(とげ)からなる。側線は体の背側面の中央部を尾柄部までまっすぐ走る。体長は20~25センチメートルにしかならない。日本からは以下の3種が知られているが、いずれも食用にはされない。
(1)ソコメダマウオBathymaster signatus(英名searcher)は、北海道東部の太平洋からアメリカのワシントン州までの北太平洋に分布する。体は黄色がかった褐色で背びれの前端に大きな黒色斑(こくしょくはん)があり、頭部の側面に赤色の小斑点が散在する。水深100メートルほどの岩礁域にすむ。
(2)スミツキメダマウオBathymaster derjugini(英名blackspot ronquil)は、新潟県以北の日本海、北海道周辺、オホーツク海に分布する。体は青みをおびた褐色で、鰓蓋(さいがい)上に大きな暗色斑(生きている時は青色斑)がある。沿岸の岩礁域にすむ。
(3)マダラメダマウオBathymaster leurolepis(英名smallmouth ronquil)は、北海道厚岸(あっけし)湾からアラスカ湾までの北部北太平洋に分布する。体は全体に暗褐色のまだら模様がある。臀びれの中央部に1本の黄色の帯が走る。沿岸の岩礁域にすむ。
[尼岡邦夫]