…16年から17年の秋にかけてイタリアに旅行し,ミケランジェロから深い感銘を受ける。パリに戻ってからは,文学的ロマン主義にあきたらず,同時代の事件を主題にとった《メデューズ号の筏》(1817)で,当時世間を騒がせた難破船の悲劇を描き,ドラマティックな構成と死体の写実的表現力で一躍有名になった。20年から21年にかけて2年近くイギリスで過ごし,コンスタブルやボニントンの作品の,直接的な自然表現の影響を受ける。…
※「メデューズ号の筏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」