メンデレス川(その他表記)Menderes

改訂新版 世界大百科事典 「メンデレス川」の意味・わかりやすい解説

メンデレス[川]
Menderes

トルコ南西部,アナトリア高原山地から西に流れてサモス島の南でエーゲ海に注ぐ川。古名マイアンドロスMaiandros。全長584km。大メンデレス川Büyük Menderesとも呼ばれる。左メンデレス川,右メンデレス川,チーネ川はそのおもな支流流域は灌漑化(約10万ha)が進み,また地中海式気候に属するため穀物綿花,タバコ,イチジクなどを産し,トルコで有数の農業地帯を形成する。また山地を隔てて北を平行して流れる川を小メンデレス川Kücük Menderesと呼ぶ。
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出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「メンデレス川」の意味・わかりやすい解説

メンデレス川
めんでれすがわ
Menderes

トルコの小アジア半島南西部をほぼ西流してエーゲ海に注ぐ川。ビュユック(大)・メンデレス川とキュチュック(小)・メンデレス川があり、アナトリア高原に発する前者は全長530キロメートルで多くの支流をもつが、アイドゥン山地を隔てて北でこれと並流する後者は全長140キロメートルで短小である。ともに中・下流部で流路は著しく曲流・蛇行し、蛇行を意味する地理用語メアンダーの語源とされる。流域は豊かな農耕地で、小麦、綿花、イチジク、タバコなどを産する。前者の河口付近にはミレトス遺跡があり、後者の河口付近にはエフェソスの遺跡がある。単にメンデレス川といった場合は前者をさすことが多い。

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