改訂新版 世界大百科事典 「モニミア」の意味・わかりやすい解説
モニミア
Monimia
南西インド洋モーリシャス諸島周辺に分布するモニミア科の植物の属名。低木で,4種が報告されている。
モニミアの所属するモニミア科は約40属450種からなる木本性の科で,モクレン目に属し,クスノキ科と密接な類縁関係をもつ。通常,葉は対生で鋸歯があり,雌雄異株のことが多い。花床は多少ともへこみ,そこに多数のおしべとめしべがつくが,時にはめしべが1個にまで減数する。葯は縦裂開または弁開。胚珠は1個。材はクスノキ科に酷似し,建築材として利用される。この科はクスノキ科と共通の特殊化した特徴を多くもつ一方,モクレン科等との共通形質も残している。分布は南半球型で,東南アジア,オセアニア,中南米,アフリカ,マダガスカル等。ごく一部の種では果実や種子が食用にされているし,精油を薬,香料に使う。観賞されるものもある。
執筆者:植田 邦彦
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報